FP2級、行政書士試験を目指そうと思っている、あるいはどちらを受験するか考えているため、難易度がどれだけ違うのか知りたい人は多いでしょう。
いずれも人気資格であり、順に取得していこう人も少なくないかと思います。
学習計画を立てる上でも、資格の難易度についてはしっかり把握しておきたいですよね。
両方とも取得している筆者からすると、FP2級と行政書士とでは難易度が結構あり、FP2級の延長で行政書士も合格しようと考えていると難しいと思います。
学習計画を破綻させないためにも、FP2級と行政書士についてよく把握しておきたいところです。
そこで本記事では、FP2級と行政書士の両方をいろんな面で比較し、どんな違いをあるのかを紹介していきます。
FP2級と行政書士の難易度の差はどれくらい?
この章では、FP2級と行政書士の難易度について書いていきます。
必要な勉強時間から試験内容まで1つ1つその違いを解説したいと思います。
勉強時間が倍以上必要
FP2級に必要な勉強時間としては、3級から始めることを前提にしても200時間~300時間ほど、期間にして2~3ヶ月で合格が可能な資格です。
※以下は通信講座で有名なスタディングのサイトからの引用。
FP(ファイナンシャルプランナー)試験に合格するために必要な勉強時間としては、一般的にFP2級は150~300時間、FP3級は80~150時間ほどが目安
参考:スタディング「FP試験に合格するまでの勉強時間はどれくらい?」
対して行政書士は合格ラインに達するまで500~600時間、期間にして半年以上の勉強が必要でしょう。自分は最初に行政書士を法律無学習の状態から勉強しましたがやはり500~600時間はかかりましたね。
まずその勉強時間を試験当日まで捻出できるか計算してみることが大事です。
例えば、働きながらだと1日に捻出できる勉強時間は2〜3時間くらいが相場でしょう。
その場合、半年以上前から行政書士の勉強を始めれば、本試験までに合格ラインに達することになります。
FP2級の時の勉強時間では、昔司法試験や司法書士の勉強をしていたといった特殊事情でもなければ、合格することは難しいでしょう。
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合格ライン6割の難しさ
実はFP2級も行政書士も合格ラインが6割で同じですが、出題内容に関して難易度差があります。
FP3級はテキストや過去問をしっかりやれば6割以上の得点は普通に可能で、9割以上の得点も難しくありません(自分の場合学科は95%でした)。
しかし、行政書士試験は試験範囲が膨大で、過去に出題実績のない問題も多く出ますから6割といっても余裕はありません。8割くらいの得点でもかなり上位のほうだと思います。
合格ライン6割だからといって、テキストを数回回したくらいではダメですし、学習範囲を絞る余裕はありません。
過去問を数周した程度で受からない
FP2級は過去問から同じような問題がわかりやすく出題される傾向にあります。ですので過去問を数周すれば、そこそこの得点率に達することができる試験です。
実際私は史上最強シリーズという過去問集を5周以上して、学科は95/100という高得点で合格できました。
史上最強シリーズは表紙にもあるように網羅性が高く、やり込めば合格できるという安心感があります。
※FP2級向けのテキスト・問題集については下記の記事にて詳しく書いてます。 続きを見る
FP2級テキストのおすすめ9選を紹介!徹底比較しました!【2022年最新】
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しかし、行政書士試験だと試験範囲が膨大なので過去問を数周したくらいでは覚えきれませんし、なかなか合格ラインのレベルに達するのが難しいでしょう。
毎日の勉強時間が少ないと一周するだけで数週間かかったりしてしまうので、最初のほう忘れてしまいます。
大量の過去問をとにかく何回も解いて9割以上の正答率にもっていく努力を心がけましょう。
数年分の過去問では受からない
FP2級は試験範囲がそれほど多くないので、直近数年の過去問で合格ラインに達することができたりします。
実際にここ数年の過去問を見てみると同じような論点が繰り返し出題されていることがわかると思います。
日本FP協会に過去問が公開されているのでチェックしてみてください。
行政書士試験だとそうはいかなくて、数年分どころか5年分でも全然足りないですし、最低10年分は必要でしょう。
ページ数にして1000近いわけですからいかに試験範囲が広いかってことですよね。
行政書士試験は平成18年度から難しくなったと言われています。問題文が長くなってより思考力が試されるようになっているので、過去問で本試験レベルの問題に慣れる必要があるのです。
行政書士試験の公式ページにて過去問が公開されているのでチェックしてみてください。
⇒行政書士試験研究センター「過去の試験問題と正解」をチェック
また、民法は毎年9問出題されますが、民法自体の学習範囲に比べて過去問の蓄積が少ないので、できるだけ過去問を過去にさかのぼって問いたほうが網羅性があるという事情もあります。
私自身は昭和の出題も収録した過去問を利用して合格しました。
過去問中心の勉強で確実に合格ラインに達するのであれば、できるだけ多くの過去問にあたったほうがいいでしょう。
具体的には、「合格革命 行政書士 肢別過去問集」を10周以上したと思います。
「合格革命 行政書士 肢別過去問集」は昭和62年の本試験問題から収録しており、ページ数も888ページあるなどかなりボリュームがあります。それくらいの量をこなさないと行政書士の合格安全ラインには乗らないのです。
また、過去問にない問題も出題される傾向にあるので予想問題も模試や答練などで対策したほうがいいでしょう。
丸暗記では解けない問題が出題される
FP2級は知っているだけで解ける問題が多く、丸暗記での学習は有効ですが、行政書士は結論を覚えているだけでは解けないような、考えさせる問題が多く出題されます。
行政書士はFPと違って、生活に密着してない法律問題ばかりなので、馴染みがなく理解したり覚えるのにより苦労します。
FPだと理解があいまいだとしても、なんとなく覚えているだけでも正解できる問題が多いです。
しかし、行政書士試験はケアレスミスを誘発する問題や、条文や判例をしっかり理解ができてないと解けない問題がよく出題されます。
例えば、判例の問題だと結論は過去問と同じでもその理由の部分で違っていたり、記述問題では、事例に法律の条文をあてはめて法的能力を試したり、理解力を問う内容が多いです。
予備校や通信講座は利用するべきか
本章では、予備校や通信講座は利用するべきかについて説明していきます。
FP2級も行政書士も独学で合格は可能
FP2級は独学でも普通に攻略できますし、実際独学の合格者の割合は行政書士と比べて多いと思います。
一方行政書士は予備校や通信講座の利用者は多く、試験自体合格ラインは6割に設定されていますが、合格率10%前後で競争も激しいので、他の受験生のレベルも高いです。
行政書士も独学での合格は可能ですが、一方で何回も落ちてしまっている方も口コミなどでは見受けられます。
そのため、行政書士を目指す場合、予備校や通信講座を利用するべきかを検討したほうがよいでしょう。
まずは独学で勉強してみる
まずできれば独学でやっていきたいという人は、市販のテキストや予備校の無料講義を受講してみて、行政書士の勉強をやっていけそうか確認するようにしましょう。
市販のテキストを読んでみて、すんなり頭に入るか、テキストの説明で理解が進むか、確認したほうがよいです。
市販テキストが高いなあという人は年度落ちでもいいので一度読んでみることをおすすめします。
その上で、行政書士試験に独学での勉強が難しいなと思うのならば、予備校の受講も検討したほうがいいでしょう。
予備校ならば、講師の方は丁寧に説明し、質問制度もたいてい設置されてますから理解不十分ということはありません。
行政書士は年に一回ですし、落ちたらまた一年プライベートを削って勉強ですからダメージ大きくなります。
一回で着実に合格を目指すなら通信講座の受講を検討しましょう。
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FP2級と行政書士どちらもまだ受かってない場合
両方ともまだ受かってない場合はまずFP2級を受験して資格試験の勉強に慣れたほうがよいです。
FP2級は基本的には独学でも合格できる試験ですのでテキストと問題集選びはしっかり行いましょう。
もし、FP2級が資格の勉強としては始めての場合や、独学では自信がない場合には通信講座の利用を検討してみましょう。
通信講座なら勉強するモチベがあまりないときでも講義の聞き流しができますし、スマホやタブレットで講義を視聴できるので空いた時間に勉強がしやすいです。
安い通信講座が増えてきたのでぜひチェックしてみましょう。
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FP2級は合格済みで行政書士はまだ受かってない場合
FP2級が合格済みならばある程度勉強する習慣が身についていると思いますので行政書士試験の勉強もすんなり入っていけるはずです。
まずは市販の基本書を読んでみて、独学のままでも理解が進むか試してみましょう。
市販の本を読んでまったく頭に入らない、読む気がしない、何回か読んでいるが問題を解いてみるとまったく正解にならない、という場合は予備校の受講を検討することをおすすめします。
直前期に予備校の入門講座をとってもあまり効果ないと思いますので、春くらいまでにはその判断をしたいところです。
就職・転職におけるFP2級と行政書士
FP2級と行政書士を比較すると、どちらかというとFP2級は就職・転職向けで、行政書士は独立開業向けという面がありますが、求人数の差こそあれ、どちらも就職・転職には活かせます。
どんな就職先・転職先があるか見てみましょう。
FP2級を取得した場合の就職先・転職先
- 保険・金融の営業職
- 不動産営業
- 一般企業の総務・人事職
- 税理士・会計士事務所
- 独立系FP事務所
割合的には保険・金融・不動産関連が多いですが、その他にも事務職や士業事務所での求人もあります。
また、就職転職できなくとも、Webライターやブログ、クラウドソーシング(ココナラなど)で副業するという手もあります。
様々な理由からFP資格で就職転職できないとしても、Webライターやブログなど副業でFP資格を活かしてみましょう。
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行政書士を取得した場合の就職先・転職先
行政書士を取得した場合には以下のような就職先・転職先があります。
- 行政書士事務所
- 司法書士事務所
- 税理士事務所
- 社会保険労務士事務所
- 弁護士事務所
- 一般企業の法務部
士業の事務所の求人が多い傾向です。
将来的に独立を見据えつつ、修行的な目的で働くのがいいかもしれません。
宅建とFP2級を検討した場合
行政書士かFP2級を検討していたが、難易度の差が大きいし、思っていたより試験範囲がかぶらないから宅建はどうなのだろう?と考える人もいるのではないでしょうか。
実際、宅建とFP2級の難易度は近いものがありますし、試験範囲も重なるところがあります。
また、金融や不動産にお勤めの方にとってその2つの資格は共に転職や社内評価に大変有効であり、両方取得するメリットは大きいです。
行政書士が難しいなと感じたら宅建かFP2級を検討してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
いかがでしょうか。
FP2級と行政書士は実際のところ難易度差がそこそこあるので、どちらを受けるか迷っている場合はしっかり学習計画を立てるようにしましょう。
行政書士は年一回ですし、内容も専門的なので、独学でいくか通信講座を受講するかを早めに判断したほうがいいです。
※当ブログではFP資格に関する情報を多く載せてますのでぜひ本記事と合わせてご覧ください。
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